ようやく、電子書籍化第三弾として、「やさしさ発電所」を刊行することができました。本当にようやくです。
というのも、この作品は少しいわくつきだったからです。
数十年前、かつて紙媒体で刊行されるという話が出た矢先に、東日本大震災が起きたため、この題名では誤解と偏見が生じる可能性があると言われて、延期を余儀なくされた作品です。あれからずっと塩漬けになっていました。
それから時が流れ、ようやく世の中も「発電所」という言葉に、あまり過敏にならなくなったと判断して、満を持して電子書籍として刊行することになりました。
少し政治や経済や科学技術の問題も入っていますが、あくまで内容は、マイルドファンタジー冒険モノ(勝手に作りました)です。
さらっと、あらすじに触れますと、それまで特に何も考えずに、とある発電所(画期的な発電方法)で働いていた青年(主人公)が、発電所の秘密を知り、あれこれ悩み、考え、心が揺れ動きながら、その秘密に対して自分なりの行動を決めて動き出すというお話です。
この青年が下した判断が果たして正しかったのか、間違っていたのか、もっと有効な方法があったのか、なかったのか。そういったことを考えながら読んでいただければありがたいです。
できるだけ小さな子から楽しく読んでもらえるよう作りましたが、この主人公のように毎日必死に働く中で突然、自分が所属する会社なり組織に対して、決定的な疑問と不信感を感じたときどう感じるのか、どうすべきなのか、そしてどう悔いなく動くべきなのか。そういったことに直面している大人の方にも、ぜひ読んでもらいたいと思っています。
「君たちはどう生きるか」という壮大なテーマとまでは言えませんが、「働く」とはどういうことか、「科学」とは何か、「欲望」や「進歩」とは何か、そういった小さなバックモチーフも感じ取ってもらえれば幸いです。
この作品は、
「世の中の多くの人たちの心にとって、本当の透き通った食べ物になること」を願って、命を削って全身全霊命を込めて作りました。
ぜひ、ご賞味頂ければと思います。https://amzn.to/45qpSxl
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